「真犯人」がメール

一昨年、パソコンの遠隔ウイルスによる犯罪予告メールで4人が誤認逮捕された事件で、新たに「真犯人」を名乗るメールが、報道関係者や弁護士ら25人に送られてきました。
弁護士が公開したそのメールには、この事件で威力業務妨害罪などで起訴されている片山被告のパソコンを遠隔操作して「(犯人と誤認されるよう)仕込んだ」た経緯や、犯人しか知りえない情報などが具体的に記されていました。
片山さんは、裁判で一貫して無実を主張され、弁護団も繰り返し冤罪を訴えていることから、無罪判決が出る可能性が高いと言われています。
卑劣な手段でおとしめられたと思われる片山さんの一日も早い名誉回復を願う一方で、誤認逮捕を繰り返した警察当局の、この種の事件に対する捜査のあり方を根本から見直さなければなりません。
またこの事件では、一昨年に誤認逮捕されたうちの2人が、取り調べ当時、「このままだと少年院行きだ」などと脅され、犯してもいない罪を認める「自白」調書にサインさせられていたことが明らかになっています。
この事件のように、誰もが犯人に仕立てあげられる可能性をはらんでいる中で、決して冤罪を生まない仕組みを作るためには、どのようにして事実無根の「自白」調書が作成されたのか、捜査を担った司法当局やそれを報道したマスコミによって徹底した検証を行う必要があります。