小堀さんからのメッセージ

先日の市民大集会で、小堀隆恒前副市長からメッセージをいただき、会場で披露しましたので、以下に全文紹介いたします。

小堀さんは、枚方談合事件の冤罪被害者で、一審で無罪が確定しました。このことにより、検察が描いた「官製談合」のストーリーは崩れ、私の高裁判決で、「いわゆる官製談合ではなかった」と判決理由の中でもそのことが認められています。

この度の「市民大集会〜未来への選択」のご盛会を、心からお慶び申し上げますと共に、冤罪被害者の一人として中司さんの「無罪判決」獲得まで、今後も共に闘う決意を申し述べさせていただきます。

私は枚方談合事件で逮捕起訴され、被告としての闘いを余儀なくされましたが、1年7ヶ月に及ぶ裁判の結果、平成21年5月に無罪が確定しました。
しかし中司さんは、裁判所による検察追随の不当判決のため、未だ闘わなければならないのが現実です。控訴審(高裁)での理解し難い判決は、心底腹立たしく虚しさばかりが残る、決して容認できない内容でした。

私は、無罪判決獲得後、弁護士会の開催する数多くの会合やシンポジウム等で、検察官による非人道的な取調べの実態や、取調べの全面可視化の必要性について発言してまいりました。

最近では、法務大臣の下に設置された「検察の在り方検討会議」に召集され、凄惨な取調べ状況を刻銘に話をしました。その席上、委員の元検事総長枚方談合事件の捜査を受けていた当時の検察トップ)が私に対し、「あなたの人格を著しく傷付ける侮辱的な調べをしたことについて、誠に申し訳ないと思います。」「そして、あなたの人生の取り返しのつかない部分を奪ってしまったことについて、深くお詫びを申し上げたいと思います。誠に申し訳ありませんでした。」と、頭を下げ謝罪されました。別室で取材していたマスコミ各社の記者から、驚きの声が上がったと聞いています。この前代未聞の謝罪発言が、枚方事件は検察特捜により作り上げられ、官製談合という謂れのない汚名を着せられた、冤罪事件であったことを如実に物語る出来事といえると思います。

検察特捜の拷問といえる取調べ。密室であるが故に違法で理不尽極まりない人権侵害そのものの取調べが罷り通る。一切が表に出てこない。冤罪が生まれる原因の全てがそこにあると考えています。冤罪に苦しむ人を生まないためには、取調べの全ての録音・録画の実施以外に解決策はありません。
今後も、全面可視化の早期の実現と、枚方談合事件を始めとする大阪地検特捜部が関わった事件の再検証を、強く求めたいと思っています。

年始からスタートした「支える会」の署名活動は、未曾有の大震災が発生し街頭での活動を制約せざるを得ない状況や、期日を短縮した中での活動でありながら、4万3千人を超える賛同者の署名を集められたことをお聞きし、驚きと感動を覚えています。中司さんの人となりと実績に対する評価、そして期待の大きさ、更には、検察や裁判所に対する義憤の表れに他ならないと考えます。
上告審(最高裁)では、必ずや冤罪が正されると確信しています。中司さんの潔白が証明され、晴れて「無罪」を勝ち取られない限り、枚方談合事件も私の闘いも終わりません。中司さんや私だけにとどまらず、枚方市の名誉が問われているのです。

3月11日の東日本大震災原発事故を契機に、世の中のあらゆる仕組みが問い直されようとしているように強く感じています。「苦難の日本」の再生の歩みに我が枚方市が、遅れを取ることは決して許されないと考えています。

日本で最初にマニフェストを掲げられた首長である中司さんが、このような立ち止まることの出来ない重要な時期に、大きな決意をされたことに心から敬意を表します。

中司さんの新たな門出と更なる飛躍を御祈念申し上げ、本「市民大集会」のご盛会のお祝いのメッセージとさせていただきます。

平成23年7月20日 小堀隆恒