特捜裁判

郵便不正事件で、村木厚子さんの証拠を改ざんした部下の罪を隠ぺいしたとされる、大坪・元大阪地検特捜部長と、佐賀・元同副部長の初公判が大阪地裁でありました。

この事件では、村木さんを罪に陥れようと、実際に証拠の改ざんを行った前田・元検事は、懲役1年6ヶ月の実刑が確定しています。

この日の初公判で、二人は無罪を主張されましたが、この事件の本質は、決して逮捕・起訴された元検事や検察幹部がたまたま暴走したということではなく、大阪地検特捜部という組織が、こうした不祥事を起こすべき体質を持っていたことに他ならないのです。

ほぼ同じ時期に、同じ体質で捜査が進められた枚方談合事件では、後に、「官製談合」という検察側ストーリーが事実誤認であったことが判明しています。

村木さんの無罪を知りながら、有罪にしようと組織をあげてでっち上げ捜査に取り組んだ、もしくは、そうした不正を黙認したのが、大阪地検特捜部の体質であったといえます。

私は、こうしたこと(改ざん等)は以前から行われていた、との法曹関係者の話を聞いたことがあります。

この事件をきっかけに、検察の在り方検討会議が設置されるなど、検察の改革が進むかのように見えたのですが、残念ながら現実には、抜本的な改革には程遠いように感じています。

無実の者を罪に陥れ、社会的に抹殺する、その恐るべき体質を生んだ背景は何なのか、この裁判を通して明らかにしてほしいと切に願います。