放射線データ隠ぺい

福島第1原発の事故直後、アメリカから経産省文科省に提供された航空機による放射線量のモニタリングデータが隠ぺいされていました。
このことについて、10日の参議院予算委員会参考人として出席した浪江町議会の吉田議長、双葉町の井戸川町長は、「町民が無用の被ばくをしたのは人災だ」、「情報隠しに腹が立つ」などと政府の対応を批判しました。
これに対し、野田総理は、「住民の命を守るために適切に情報を公開する姿勢が希薄だった」と謝罪しましたが、政府の対応について「人災」とは認めず、誰が、何故情報を隠したのかの点については明らかにしませんでした。
私は今年3月に福島を視察し、浪江町双葉町の惨状や住民の苦しみを目の当たりにしてきましたが、未だ遅々として調査も対策も進まず、エネルギー問題の方針も確立されない中で、なりふり構わず原発の再稼動に突っ走る政府の姿勢と、予算委員会での貧困な政府の答弁に、怒りと痛みで心が震えました。
吉田議長は「(データが)速やかに公表されていれば町民を放射線から守れた。公表されなかったことは人災そのもので、国は国民の命と尊厳を守る責任を果たしていない」と指摘するとともに、大飯原発の再稼動については、「ふるさとを追われ、明日が見えない過酷な状況にある被災者として大飯原発の再稼動を認めるわけにいかない」と批判。
井戸川町長も、「情報がスムーズに出ていれば住民が逃げる方向を変えていたのに、受けなくてもいい被ばくをした。情報隠しは腹が立ち、納得できない」と涙ながらに訴えました。