アテルイ・モレ祭

約1200年前の平安時代初期に東北で活躍した2人の英雄アテルイとモレの慰霊祭が12日、慰霊碑のある枚方・牧野公園で執り行われました。
 首領アテルイ、副将モレの本拠地は岩手・胆沢地方。朝廷の征討軍を度々打ち破りましたが、戦いを続けることによる疲弊から人々を救うため、坂上田村麻呂率いる第三回征討軍に降伏しました。2人の英雄を称える坂上田村麻呂が朝廷に助命嘆願しましたが聞き入れられず、802年8月、枚方のこの地で処刑されたと伝えられています。


長く地元に伝わる伝承をもとに、地元の有志の方々が平成19年に牧野公園内に慰霊碑を建立。保存会をつくり毎年秋分の日に慰霊祭を行い、生誕地の岩手・奥州市との交流も図ってきました。慰霊祭には、関西アテルイモレの会をはじめ岩手県のゆかりの方も毎回来られています。


あいにくの雨模様のため、地域の幼稚園児や小・中学生が予定していた公園での歌や踊りなどは中止となりましたが、近くの会館でお神楽の奉納のあと、今年12月23日に公演が予定されている現代版組踊り「火炎の蝦夷(えみし)アテルイ」に出演するひらかた肝高倶楽部の子どもたちが踊りを披露。その中で上演されるアテルイ音頭が、河内音頭の原点・交野節を伝える美谷川会、スターダスト河内のみなさんの手で紹介されました。

七夕伝説をはじめ、枚方には古くから様々な歴史や伝承文化が息づいています。東北の英雄アテルイ・モレの悲話を知り、没後1200年の式典で当時の水沢市を訪問して10年余り。その橋渡しが芽を吹き、地域の方々の手でより強い絆となって引き継がれていることを嬉しく思いました。