日経名誉毀損控訴審

日経新聞による名誉毀損控訴審第一回口頭弁論が26日大阪高裁で開かれ、控訴理由書の陳述等が行われました。

この裁判は、5年前の事件報道の中で、大林組から接待など受けていないのに「市長頻繁に接待受ける」「ほぼ毎月の時期も」と大見出しでデタラメな記事を掲載した日経新聞名誉毀損で訴えているもので、すでに一審は全面的に勝訴し、日経新聞不法行為が認められています。

この記事については、未熟な記者が検事と交わしたあいまいなやり取りを先入観と特ダネ意識で勝手に膨らませ、いつ、どこで、誰に接待を受けたのかなど当然すべき裏付け取材を怠り、チェックもされないまま掲載されたものであることが、一審の裁判を通して明らかになりました。

しかし日経新聞は、控訴審においても記事の誤りを認めず、報道は真実であると、一審同様の主張を繰り返しています。

誤りを認め、なぜこのような記事が生まれたのか、自ら検証してきちんと説明することが社会の公器としての新聞のあり方だと思いますが、日経新聞には真実を明らかにしようとする姿勢は微塵もありません。それどころか、裁判で検事とのやり取りを公表し、それを免罪符にして責任逃れをしているのです。

ところが、日経新聞が、報道機関として通常は明らかにしないニュースソースを裁判で公表したことが波紋を呼び、その行為を問題視する朝日、毎日などからやり玉に挙げられています。

マスコミに情報を流して世論を誘導するのは検察が使う常套手段であり、この裁判を通して、これまでベールに包まれていた検察による虚偽情報のリークの一端が初めて明らかになった意味は大きいと私は思います。検察のリークによる報道被害が、こうした積み重ねの中で少しでもなくなっていくよう願います。