原発視察

 エネルギー政策研究会で28、29の両日、関西電力の高浜原子力発電所舞鶴火力発電所等を視察しました。

日本のエネルギー自給率はわずか4%。食糧の自給率穀物ベース)も30%弱と、どちらも先進国中最低の水準で、大半を海外資源に依存しており、国の安全保障上からも大きな問題を抱えたままです。
昨年の福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、重要な政策テーマであるエネルギー問題について研鑽を深めようと、枚方、寝屋川両市の有志議員を中心に同研究会が発足しました。

高浜原発は現在点検休止中で、原子炉格納容器や使用済み燃料ピット等のある管理区域まで入ることができましたが、内部の写真撮影は許可されていません。

施設管理者の説明では、同施設では昨年の原発事故後、直ちに電源確保、水源確保、浸水対策など項目ごとに安全確保のための緊急対策を実施しました。結果、全項目でストレステストの評価基準を上回っているとのことですが、今後さらに安全性において「世界最高水準の原発」を目標に何重もの安全対策を計画しています。

現在、50基ある全国の原発で莫大な費用をかけて同様の対策が行われています。一方で、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートして僅かの間に、メガソーラーなど太陽光発電を中心に発電総量が原発一基分を超え、将来的な脱原発依存社会へのシフトも可能性を帯びてきました。

大飯原発再稼動の際の反対運動など原発アレルギーが高まっている中で、たとえ十分な安全対策を施しても、再稼動への理解を求める道筋は困難を極めるものと思われます。


 もう一箇所、稼働中の舞鶴火力発電所(石炭火力)を訪問。
ここでは、バイオマス燃料の木質ペレットを3〜4%程度石炭に混ぜて使用しています。
今後さらに木質ペレットの混焼割合を高めることも不可能ではありません。
コスト面から、ペレットは現在カナダから輸入していますが、発電目的で常時木質ペレットの需要が見込めれば、国内の間伐材をペレットとして安定供給する仕組みをつくることもできるのです。
後継者不足などで森林が荒廃し、深刻な国内林業の育成につながる可能性を強く感じました。