日経名誉毀損控訴審・・・その2

9日、日経新聞による名誉毀損控訴審で、裁判所からの和解勧告に応じました。
和解の内容は、事実無根の記事による名誉毀損を前提に、解決金として日経側に400万円の支払い義務を認めるものです。
ろくに取材もせず「頻繁に接待受ける」などとデタラメな報道をしながら居直る日経新聞、裁判で取材源の検事とのやり取りを明かした日経を批判する各社の検察寄り報道など、この裁判を取り巻く特異な状況の中で悩んだ末、和解勧告を受け入れることにしました。
そもそも訴訟に踏み切ったのは、5年前に記事が掲載された後、誤報であることを記者に伝えたにもかかわらず、まともに取り合わなかったためですが、結局、裁判を通して最後まで一言も謝罪はありませんでした。
しかし▽一審で「記事は真実とは認められず、取材は記事を正当化するには到底足りない粗末なもの」と認められたこと▽日経が検事とのやり取りを公表したことで、誤報の原因が検察のリークやミスリードであったことが明らかになったこと―など、一定提訴の成果はありました。
というのも、情報を流して世論を誘導するのは検察の常套手段であり、これまでベールに包まれていた検察による虚偽情報リークの一端が裁判で初めて明らかになったからです。
私は、報道機関が誤った記事を掲載したなら、なぜミスが発生したのか自ら検証してきちんと説明することこそ、社会の公器として信頼される新聞のあり方だと思います。
しかしこの裁判で、日経新聞には真実を明らかにしようとする姿勢が最後まで無かったことが非常に残念です。