取り調べの可視化

最高検察庁が、取り調べの一部可視化に踏み切ることについて年内にも公表する、という新聞報道がありました。
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を受けて、最高検が検証を進める過程で、再発防止策として、特捜部の事件の取り調べの過程の一部を録音・録画することを盛り込む方向をまとめたとされています。
私の手記 http://www.sankei.co.jp/seiron/wnews/0907/ronbun2-1.html に書いていますが、無茶苦茶な取り調べで検事から恫喝や脅迫を受け、しかも、そのことを裁判で訴えても聞いてもらえない・・・・という経験をしたものからすれば、冤罪防止のために取り調べの可視化は絶対に必要です。
残念ながら、密室で恫喝・脅迫のもとに作られた調書の全てを裁判所が採用しないようにならないかぎり、検事は無茶な取り調べを続け、事実ではない調書を作り、証拠の改ざんまでやって、予め組み立てたストーリー通りの事件を、たとえ事実とは違っていても作り上げていくのです。
しかし、日弁連が主張するように、可視化は、全面的にやるのでなければ、一部実施では、かえって「いいとこ撮り」されて、でっち上げの補強材料に使われてしまう恐れがあります。
したがって、容疑者本人はもちろん、証人から参考人の事情聴取にいたるまで、全てにわたって全面的な可視化をしなければ意味がありません。
冤罪をなくすためには全面可視化が不可欠なのです。