6年目の闘い

談合事件で当時副市長だった小堀さんが事実誤認で逮捕されてから、ちょうど5年が経った5月31日夜、小堀さんとお会いしました。

小堀さんは、事件とは無関係だったにもかかわらず、最終ターゲットの私に捜査をたどり着かせるための言わば”駒”として逮捕されたのです。それが、人の人生をめちゃくちゃにすることを何とも思わない検察のやり方でした。

これが、後に無罪となられた村木厚子さんを陥れるため、証拠までねつ造された、あの大阪地検特捜部の体質です。

小堀さんは当時、腎臓がんで右腎を摘出し、前立腺の手術を控えていたのですが、薬も与えられずに長時間取り調べを受けたため排尿障害になりました。

拘置所内で受けたカテーテルの処置が失敗して傷がつき、血尿が出るのを訴えると介護用の紙オムツを1枚だけ与えられ、保釈されるまでの約1カ月間、高熱にうなされながら血に染まった紙オムツを当てて、脅迫、恫喝の拷問のような取り調べを受けられたのです。

一審で完全に無罪を勝ち取られ、その後、自らの体験を意見陳述された「検察の在り方検討会議」の席上、当時の検事総長から異例の謝罪の言葉を受けられました。

「何のことかわからないまま逮捕されたあの日のことは忘れられない」と当時を振り返る小堀さん。

大阪地検特捜部が前触れもなく家宅捜索に入ったあの日、誤った捜査により冤罪に陥れられてから5年。運命の日を生涯忘れることはありません。

私自身の上告審は、今月中ごろまでに最終の上告趣意補充書を提出して、全ての上告手続きが終わる予定です。