再審決定

平成9年に起きた東京電力女性社員殺害事件で、無期懲役刑が確定していたネパール人のマイナリさんの再審が、東京高裁で決定されました。
事件から15年、「疑わしきは被告人の利益に」の原則に立った判断が行われていれば、もっと早くに再審が決定されていたはずです。
争点となったDNA鑑定などの新証拠について「公判で証拠提出されていれば有罪認定できなかった」「無罪を言い渡すにべき明らかな証拠に当たる」と判断されたのです。
検察は、いったん決めたマイナリさん犯人説にこだわり、真実を解明するどころか、第三者の犯行の可能性を示す不都合な証拠を隠していたことになります。
証拠開示については、警察や検察が集めた証拠の全てを開示せず、被告人に有利な証拠は出さないことが、裁判の公平公正を欠くとして、以前から問題視されてきました。
「取り調べの全面可視化」とともに「証拠の全面開示」も、冤罪を無くすために実現しなければならな大きな課題です。
この事件では、被害女性についても、▽東電で原発に反対し地熱発電を推進、論文を書いていた▽父親も東電幹部で、原発の危険性を指摘して降格させられた・・・・などとされ、冤罪とは別の視点からも注目されています。
冤罪を生み、被害女性が貶められたこの事件の真相が、再審で明らかになることを願っています。