民亊控訴審(その1)

5年前の談合事件により枚方市に損害を与えたとして訴えられている民亊裁判の控訴審の初公判が18日、大阪高等裁判所で開かれました。
3月の一審判決で請求が棄却されており、工事の予定価格とその決定過程について▽1回目の入札は、20%の歩切りなど談合の余地もなく低い予定価格で不調となった▽2回目の入札についても超低額の予定価格だった―などが勝訴の根拠となりました。

実際、小堀副市長をはじめ当時の担当部署の職員が、事業費の節減・精査に一生懸命取り組んで下さったおかげで、枚方市の清掃工場の施設整備費は約110億円で、当時の同規模の清掃工場の全国平均値(約132億円)より安価に整備ができたのでした。

その小堀さんは、大阪地検特捜部の事実誤認により起訴された後に無罪を勝ち取られていますが、原告団はその冤罪被害者の小堀さんに対しても未だ損害賠償の求償対象から外そうとしません。

この日の初公判では、原告側から元枚方市長候補の野田隆治氏、前枚方市議会議員(共産党議員団)の野口光男氏、枚方市議会議員(平和・自治・市民)の手塚隆寛氏の3人が意見を述べたのですが、私には法廷での意見陳述というより、まるで枚方市議会での討論を傍聴しているようでした。

とりわけ野口氏は、▽当時は市長のトップダウンで、(反対の)声を上げれば(職員は)飛ばされた▽枚方に民主主義はなかったーなどと根拠のない主観を羅列。さらに刑事裁判について、「一人(中司)を除いて刑が確定した」と述べました。

これにはさすがに小堀さんの弁護士から、「小堀さんは無罪であったのに誤解を与える」と批判を浴びていました。

このあと中司代理人佐藤博史弁護士が、▽小堀さんは無罪であり、当時の検事総長が酷い取り調べについて謝罪している▽この事件を見誤ったのは特捜部であり、真相を解明することこそ枚方の名誉回復になる▽刑事高裁判決で「いわゆる官製談合ではなかった」と認定され(検察主張は崩れ)ているのに、検察主張(あるいは検察さえも主張していないこと)を根拠にするのはおかしい・・・などと意見を述べました。

ところが、この弁護士発言の最中に原告側の傍聴席から野次が飛び交ったため、傍聴席に向かって裁判長が再三にわたって静かにするよう注意。
これまで何回も裁判に出廷し、また傍聴もしていますが、このような事態は異例のことで、自分たちは長々と主張しながら反対意見には耳を傾けない傍聴者で埋まった法廷は、異様な感じがしました。